高血糖と言われたらまず受診を
「高血糖」は糖尿病の予備軍
血糖値が高くてもほとんど自覚症状はありません。しかし、長期にわたって血糖値が高い状態が続くと、糖尿病やその他の深刻な病気につながるリスクがあります。
高血糖を見逃さない
健康診断で、血糖値の基準値を超えたまま、再検査せずに何年も放置していませんか? 下記の項目に注目しましょう。基準値を超えない場合も高い値が長く続いている場合は注意が必要です。念のため受診して体の状態を確認しましょう。
- 空腹時血糖値:絶食状態で測定された血糖値です。これが126mg/dL以上である場合、糖尿病が疑われます。
- HbA1c:過去2〜3か月間の平均的な血糖値を反映する指標で、6.5%以上である場合、糖尿病が強く疑われます。
糖尿病になってからでは遅い
日常生活に支障が出る場合も
糖尿病になるとインスリン注射が欠かせなくなることはよく知られていますが、変わるのはそれだけではありません。糖尿病が進行すると、日常生活に支障をきたす次のような合併症にもかかりやすくなります。
- 神経障害で手足が腐って切断
- 網膜症で目が見えなくなる
- 腎不全で人工透析
この場合、血糖値を改善しても症状の回復は難しくなります。
気づかないうちに糖尿病が進んでいることも
生活習慣が主な要因とされる2型糖尿病の場合、急激な自覚症状は少ないことが多いです。また、徐々に進行することに加え、一般に起こりやすい症状でもあるため、「年齢のせい」「疲れのせい」と見過ごしがちです。
以下のような症状が見られる場合は、中期に進行している可能性があります。まずは受診しましょう。
- トイレに何度も行く
- 喉が乾く
- 理由もなく体重が減る
- 視界のぼやけ
- 風邪などの感染症にかかりやすい
- 手足のしびれ
- 足の指の感覚や痛みがなくなる
高血糖・糖尿病の疑いが出たら最初にするべきこと
正確な診断を受けるためのステップ
・専門医への受診
まずは、糖尿病専門の医師がいる内科や糖尿病専門クリニックを受診しましょう。健康診断の結果とともに、不安や症状をきちんと伝えることで、より適切な検査と診断が受けられます。
・事前準備
受診の前に、以下の情報をまとめておくとスムーズです。
- 健康診断結果:最新の検査結果を持参しましょう。
- 病歴:過去の病気や手術歴、薬のアレルギーなどを記録しておいてください。
- 家族歴:家族に糖尿病や他の慢性疾患がある場合、その情報も伝えましょう。
- 現在の症状や健康状態:頻尿、喉の渇き、体重減少などの症状がある場合、具体的に説明できるようにしておきます。
基本的な血糖値の測定
医師の指示に従って、いくつかの基本的な血糖値測定が行われます。
- 空腹時血糖値:絶食状態で測定された血糖値です。これが126mg/dL以上である場合、糖尿病が疑われます。
- 食後血糖値:食事後2時間以内の血糖値。200mg/dL以上であれば糖尿病の疑いがあります。
- HbA1c:過去2〜3か月間の平均的な血糖値を反映する指標で、6.5%以上である場合、糖尿病が強く疑われます。
必要に応じて、さらに詳細な検査が行われます。
- 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT):75グラムのブドウ糖水を飲み、その2時間後の血糖値を測定します。200mg/dL以上であれば糖尿病が診断されます。
- 尿検査:尿中の糖やケトン体の有無を確認します。
- インスリン検査:体内のインスリン量や、その働き具合を調べるための検査です。
医師の診断とカウンセリング
検査結果に基づき、医師が最終診断を行います。診断が確定した場合、生活習慣の見直しや薬物療法などの治療計画が提供されます。初めての受診で不安も多いかと思いますが、医師に対して疑問点や不安を積極的に相談することが重要です。
専門医の選び方
専門医の資格と経験
糖尿病の診断と治療を行う医師は内科医である場合が多いですが、糖尿病の治療に特化した専門医を選ぶことが望ましいです。
- 糖尿病専門医:日本糖尿病学会認定の「糖尿病専門医」を探すと良いでしょう。この認定を持つ医師は糖尿病の治療経験が豊富であり、最新の治療方法についても熟知しています。
- キャリアと経験:医師のキャリアやこれまでの治療経験も確認しましょう。病院のウェブサイトや医師紹介ページで経歴を確認することができます。
医療機関の設備とスタッフ
糖尿病の治療には様々な検査や診断が必要であり、継続的なフォローアップも重要です。設備が整っている医療機関、そして専門知識を持つスタッフがいる施設を選びましょう。
- 設備の充実度:血糖値の細かい測定ができる設備や、合併症の有無を確認するための検査機器が揃っているか確認しましょう。
- チーム医療:糖尿病の治療には医師だけでなく、看護師、栄養士、理学療法士などのサポートが重要です。チームで治療にあたる医療機関を選ぶと安心です。
アクセスと通いやすさ
糖尿病の治療は長期にわたることが多いため、通院のしやすさも重要なポイントです。
- 立場:自宅や職場から通える範囲内で、アクセスが良い場所を選びましょう。
- 診療時間:自分のライフスタイルに合わせて通院しやすい診療時間を提供しているか確認してください。
専門医の探し方
具体的に専門医を探すための手段もいくつかあります。
- 医療機関のウェブサイト:病院やクリニックのウェブサイトで、専門医の情報や治療内容を確認する。
- 医療ポータルサイト:例えば「日本糖尿病学会」や「病院情報サイト」などで、糖尿病専門医を検索することができます。
- 地域の医療情報:地域の医療センターや保健所に問い合わせると、信頼できる専門医の情報を得ることができます。